モバイルバッテリーの「大容量サギ」に騙されないたった一つの方法。USB電圧テスター(チェッカー)で真の充電容量を計測するには

もうスペック詐称には騙されない。

技術の進化は目覚ましく、モバイルバッテリーは今や10000mAh超えが当たり前。

Amazonで2000円も払えば、数年前は信じられないほどの大容量モバイルバッテリーが翌日に届きます。

ですがいくら大容量とうたっていても、実際に使ってみて「あれ?思ったより充電容量が少ないぞ?」と感じたことはありませんか?

モバイルバッテリー市場の闇

解決が難しい「スペック詐称」

残念ながら、大手通販サイトのAmazonには充電容量を偽って出品されているモバイルバッテリーが多々あります。

そういった製品は重さが他社よりも明らかに軽すぎたり、充電容量に対して本体が薄すぎる(または小さすぎる)ことでおおよそは判別できます。

しかし、重さやサイズが適正だとしても充電容量を偽っていないとは断定できません。

正しい充電容量を知るには、自分で計測するしか無いのです。

自身のモバイルバッテリーの充電容量を確かめるためには、電圧テスターを使って実際の充電容量を計測することをオススメします。

計測に必要なもの

Amazonで買ったら次の日に届きました。安定のルートアール製。

用意するものは、「積算電流量」を計測することができるUSB電圧テスターのみ。

ただしテスター自体が粗悪品だと元も子もないので、かならず信頼できるメーカーのテスターを使用しましょう。

個人的には販売数の多い大手メーカーのRoute-R(ルートアール)のものが無難と考えます。

充電容量の計測方法①

テスターのディスプレイ。情報量が多い。

充電容量を知るには、まずモバイルバッテリーの積算電力量(mWh)を求めていきましょう。積算電力量は電圧と総電流量の積で求められます。

まず、テスターのオス端子(USB-A型)をモバイルバッテリーの出力ポートに挿します。

テスターのオス端子

次に、充電ケーブルをテスターのメス端子に接続。そしてケーブルもスマートフォンなどのデバイスに接続し、充電を開始します。

ちょうどバッテリーとデバイスの間にテスターを割り込ませる形ですね。

充電を開始すると、テスターは自動的に電流値(A)や電圧(V)、積算電流量(mAh)などの計測を始め、ディスプレイにもリアルタイムで表示されます。

今回使用したテスターは10項目を表示する多機能タイプ。

スイッチを押すとB面表示に切り替わります。

ちなみに、この時表示されている積算電流量をモバイルバッテリーの充電容量と思いがちですが、正しくは違います。

テスターに表示されている積算電流量は電圧5V換算なのに対し、モバイルバッテリーの充電容量は電圧3.6V(又は3.7V)換算で算出されます。

要は、テスターには少し少ない値が表示されるということです。

そのため、単純には比較できないことに注意しましょう。

充電容量の計測方法②

テスターのメス端子(USB-A型)

充電デバイスを交換しながら、モバイルバッテリーが電池切れになるまで充電し続けます。

そしてモバイルバッテリーが電池切れになったら、テスターに計測された積算電流量を確認します。

例として、この時計測された積算電流量が10000mAhとすると、まずこれに計測時の電圧5Vを乗じましょう。

すると10000mAh × 5V = 50000mWhとなり、積算電力量が50000mWhだと求められます。

そしてこれをリチウムイオン電池の電圧3.6Vで割ると、モバイルバッテリーの充電容量が算出されます。

50000mWh ÷ 3.6V =13889mAh

よって、モバイルバッテリーの実際の充電容量が13889mAhだと計算することができます。

計算式:テスターの計測結果(mAh) × 5V ÷ 3.6V = 実際の充電容量(mAh)

おまけ:充電容量の誤差について

テスターの側面部(画面切り替えスイッチ)

メーカーが公表している充電容量は、上限値であり、実際には充電ロス(発熱など)が生じるます。

実際の計測値は公表値の60%から90%の間におさまることが多いでしょう。(テスターを持っていない人は、公表値に70%を乗じたらおおよその充電容量が分かります。)

ちなみに、充電するときは一度に流れる電流量が多いほどロスが大きいです。(いわゆる急速充電ほどロスが大きくなりやすい)

そのため、充電するデバイスがスマートフォンなのかタブレットなのか、電池切れ寸前なのか8割以上充電が残っているのかなどの条件によっても計測値が変わります。

なので、計測値はあくまで目安程度と理解するとともに、複数のモバイルバッテリーを計測する際は充電に使うデバイスの条件もできるだけ揃えてあげてみてくださいね。

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